2014年10月17日金曜日

ワーキングホリデーの休日~カジノ in ケアンズ~

イニスフェイルへきて1か月が経ち、バナナ生活にずいぶん慣れた私はこの日更なる刺激を求めワーホリ仲間とケアンズへ向かいました。

ケアンズはオーストラリア6大都市(シドニー、メルボルン、ブリズベン、ゴールドコースト、パース、ケアンズ)の1つでイニスフェイルから北へ90kmに位置します。
年中温暖な気候でグレートバリアリーフや世界遺産の熱帯雨林といった豊かな自然に囲まれており人気の観光スポットになっています。

ケアンズにはスキューバダイビング(グリーン島が有名)、ジェットスキーやパラシュート、スカイダイビング、ロープウェイなど楽しむところがたくさんあります。
また、日本から8時間以内で直行便で行けることもありよく町中で日本人観光客を見かけます。そのためか、ケアンズにいるオージーもけっこう日本語話せたりします。

バナナ仕事が休みの土日、多くのワーホリ労働者たちがケアンズに行ってアクティビティを楽しんだり、自然の中でゆっくり流れる時間を満喫したりします。

ただ、この日ケアンズに来た私たちの目的はただひとつ。

カジノです。

ケアンズにあるアクティビティには目もくれず、夜までずっとバーベキューしながらだらだらビールを飲んでゆっくり流れる時間を過ごしていました。
ちなみに、オーストラリアの公園にはよく無料で使えるバーベキュースペースがあるので肉とビールを買えばすぐバーベキューができます。

そしてテンションも上がり23時、私たちはカジノへ向かうのです。

映画「ハングオーバー」でのワンシーン

通常、オーストラリアの各都市のカジノは正装でないと入れませんが、
海や山など自然がいっぱいの観光都市ケアンズのカジノはサンダルでオッケーです。

ただし、パスポートは忘れずに(身分証明のため)。

いざ、入るとそこは華やかな雰囲気でみなお酒を飲みながらカードゲームやルーレットなどを楽しんでいました。

カジノにはルーレット、ポーカー、バカラ、ブラックジャックなどさまざまなテーブルゲームがある。特にポーカーは7スタッドポーカー、3カードポーカー、テキサスポーカー、カリビアンスタッドポーカー、インディアンポーカーなど種類がいっぱい

初カジノでテンションあげあげの私も早速バナナで稼いだ軍資金3万円を片手にブラックジャックを楽しみました。

ブラックジャックはトランプを使いディーラーとプレイヤーが直接対決し、手札の合計が21に近い方(越えるとNG)が勝ちというシンプルなゲームです。
ディーラーは自分の17以上になるまで引き続けないといけないのでプレーヤーに比べ、バースト(21を越えてしまうこと)する確率が高いです。なのでテーブルゲームの中ではブラックジャックが一番初心者には勝ちやすいです。

私はこの日のためにカードゲームオタクのフィンランド人たちからブラックジャックの訓練を受けていました。

そのフィンランド人からブラックジャックで更に勝つ確率をあげるための基本戦術(ベーシックストラテジーと呼ばれている)を学んだ私はこの日2万円勝ちました^^

結局この日、私たちワーホリ軍団はカジノが閉まる3時までお酒を飲みながらカードゲームを楽しんでいました。

ブラックジャックはポーカーよりもルールが単純だし、ポーカーと並び世界的人気なカードゲームなので、みなさんもやってみるとハマると思います。

2014年10月13日月曜日

ティニアの治療法~ティニアとの戦い2~

ボスの命令通り早く帰ってきた私はティニアに対して特別な手当てはしませんでした。
ただ、「濡らさない」ということくらいです。

繰り返しになりますが、
「ティニア」とはバナナ農家で働く人がよくかかる水虫のことで
バナナの樹液が原因といわれています。
「ティニア」は感染力が強く、ティニアにかかった人の靴を借りたりするとすぐうつります。

そんな「ティニア」はまた、繁殖力も強いのです。

特別何も手当てをしていない私は、
次の日の朝、驚きます。

「なんじゃこりゃーーー!!」

昨日まで10粒だった「ティニア」は拡大し、私の足裏をどんどん占領していました。
しかも激痛。

以下がその様子。
私の足を侵食していくティニア。
熱を帯び、足裏全体がパンパン。

見た目から想像できないかも知れませんが、ここまで来るとホント歩けません。
小さな振動とかでも痛いくらいなので、患部を地面につけるなどもってのほかです。

なのでティニアにかかったたいていの人は地面にかかとだけをつけて歩く「かかと歩き」をするか
急いでいるときはケンケンをします。

大柄な外人が何人もこのかかと歩きをしている光景はかなりシュールです(笑)

この日はもちろんバナナを休みました。
で、ホステルの雇われオーナー、ニックにティニアの薬があるか尋ねに(ケンケンで)行きました。

ニックはイニスフェイルのバナナファームを経営している家系で育っており、小さいころからおそらくバナナを担がされたからか身長は小さいですが、その肉体はかなりワイルドです。

そんなニックが私にティニアの薬として出してきたものもワイルドでした。

アルコールです。

ニックによると一見荒治療にみえるが(実際そうだし)、「ティニア」にはこれが一番効くのだとか。
バナナと育ったニックが言うことだし、断るとかっこ悪い感じがしたので、
私は布にアルコールを染み込ませ患部にあてました。

ご想像のとおり激痛です。(叫びます)

ただ、激痛だからこそティニアと確かに闘ってくれている感じはしました。
アルコール治療で15分くらい叫んだあと、笑い転げているニックから借りたパウダーを患部に振りかけ治療を完了しました。
※バナナの街イニスフェイルには「ティニア専用のパウダー」が売っている。

振り返れば、ティニアとの出逢いは2日前あの1粒のかわいい赤いできものから始まったのですが、
私はティニアを知らな過ぎました。
1粒のときは次の日ワイルドぶって仕事に行き、10粒のときも「濡らさない」だけで特に手当てをせず、完全になめてました。

この日、ティニアの恐ろしさを知った私は今まで履いていたソックス、作業用ブーツすべて破棄しました。

これからバナナに携わる予定のみなさんも「ティニア」には十分に気を付けてください。

PS:その後私のティニアはアルコール治療後徐々に痛みが引いていき、3日ほどで完治しました。

2014年10月12日日曜日

ワイルドライフに憧れて~ティニアとの戦い1~

男なら一度は誰もがワイルドライフに憧れることもあるでしょう。
私もその一人です。
私はオーストラリアで2年間農業生活をしてきました。
農業生活はきつくて低賃金なんて思われている人も多いかと思いますが、オーストラリアの農業生活はワイルドさと華やかさ(農家は意外に金持ち)を兼ね備えているのです。

その中でもバナナはMost WildでそしてRich(高給とり)なのです。

私はオーストラリアでのワイルドなバナナ生活を通じて人間的にも成長したのではないかと思います。
バナナ農家では、ワイルドな人間なら誰でも時給20ドル近い高給を与えられ、ワイルドでない人間はどこの国であろうがクビを切られます。
言い換えれば、ワイルドは人種、国境を超えるのです。

ただ時に、人はそのワイルドさを求めすぎて痛い目に合うこともあります。


「ティニア」にかかった私はこの日もバナナに行きました。
ハンピングではモンスター級(70kg)や超モンスター級(80kg~)のバナナを運び、
カッティングでは侍のようにバナナの果実や役目を終えた木を切り倒すことは快感でした。
ワイルドライフに憧れて日本を出た私はもうバナナの仕事のワイルドさにハマってしまいました。

その間ブーツの中の湿気により悪魔の水虫「ティニア」が勢力拡大しているのを知らずに。。。

午前も終わり、スモーコタイム(休憩のことをそういうらしい)になったとき、
痛痒いティニアが気になり始め作業用ブーツを脱ぐと、

足の指の間に1粒しかなかったティニアが10粒くらいに増えているのです。

それに気がついたボスが慌てて
「ワイルドスモールボーイ、今日は帰るんだ」
と告げました。

そして「しっかり手当をして休むんだ」と。

ワイルドなアドレナリンが出てバナナを楽しんでいた私は"I'm fine"(大丈夫だ)と言いかけましたが、
いつも怖くワイルドなボスが言うことなのでその言葉に従い帰りました。

私は湿気だらけのブーツを常に履くわけじゃないし、10粒程度裸足で歩いときゃ治るだろうと思っていました。


野生のカンガルー(Wild Kangaroos)。
イニスフェイルのバナナファームでもたまに見かける

バナナ農家が恐れる水虫「ティニア」~ティニアとの出逢い~

最初はバナナを落としてばかりだった私に、ついにバナナの神様は微笑んでくれました。

オーストラリアの農業の中で人気のあるバナナの仕事したいけど辛いハンピングはしたくないと考えている男性諸君、ご安心を。
※物価の高いオーストラリアでワーホリ労働者は高い賃金を求めバナナ農家に就きたがる人が多い

ハンパー経験のある方ならわかると思いますが、重いバナナを持てるようになる瞬間はいきなり訪れるのです。

私の場合は、ジェイムスというイングランド人に「肩にのっけて運ぶとき(両手は使わず)右手だけ使いなよ」と言われたのがきっかけでした。
こんな重いバナナを片手だけでなんてあり得ないと疑いつつも実際試してみると

こりゃいい!!

この持ち方は首と肩を柔軟に使えるため、自分の身体にうまい具合にフィットし両手で支えるときよりもかなり楽に感じるのです。
これが「ハマった」と私が勝手に言っている状態です。

この「ハマった」状態に入ると、腕の力はいらなくなるので誰でも持てるようになるというのが小柄な私の持論です。
逆に、大柄の外人でもこの「ハマった」状態を知らずに腕の力だけで持とうとすると、最初は鼻高々と涼しい顔していますが、大体午後あたりに顔がひきつっています。

みなさんがバナナを運ぶときにも、ぜひ勇気を持って片手を離して試してほしいです。
←「ハマった」状態の人たち。
にしても左はクレイジー(笑)
イングランド紳士ジェイムスのおかげで重いバナナも持てるようになりハンピングが楽しくなってきたその日、
私はバナナ農家が恐れる水虫にかかりました。
これからバナナを始める方やバナナを育てる方は知っておくべき悪魔の水虫。

「ティニア」

そう呼ばれる悪魔の存在に気づいたのは私が仕事後ソックスと作業用ブーツを脱ぎスリッパに履き替えたときでした。
ニキビのような赤いできものを発見した私はすぐにそれが何だか分かりました。

なぜならバナナ農家はその悪魔の存在を知らせるポスターを工場のいたるところに貼りまくっているからです。

「ソックスは午前と午後で履き替えましょう」
「休憩中は長靴を干しましょう」

みたいな感じで。
バナナ農家はそれほど「ティニア」を恐れているし、かかる従業員が多いのです。
ただ、私はこのとき少し痒いだけだし、ティニアと言ってもそんなたいしたことないだろうと
この一粒の赤いできものをなめていました。

この日が私と「ティニア」の初めての出逢いでした。

2014年10月11日土曜日

バナナの病気はこうやって治す

今日はバナナに関する新しい仕事を紹介します。
これまで紹介してきたハンピングとカッティングと並んでバナナ仕事のメインと言える作業です。

その作業はデリーフィング(de-leafing)と呼ばれるバナナの葉を切る仕事で、
私が働いていた農家でも週に1回このデリーフィング作業をしていました。

デリーフィングにはバナナを感染病から守る効果があります。
人間と同じくバナナも健康管理をしてあげないと病気になります。
そのバナナの病気はシガトカ病と呼ばれ、人間で言うインフルエンザのようなものです。
シガトカ病にかかったバナナの木からはバナナの収穫ができなくなり、感染力も強いため周りのバナナの木も巻き込んでしまいます。

なので葉っぱの健康管理にはバナナ農家の人はかなり気を使っており、
私たちワーホリ労働者はシガトカ病の進行を防ぐため、デリーフィングするという「使命」があるのです。

シガトカ病になったバナナの葉
ここまで来ると、末期で他の葉っぱにも感染してしまっています。

デリーフィングの作業を始める前、バナナ農家の人は大抵この病気の話とどういった葉を切り落とす必要があるのかを口酸っぱく私たちワーホリ労働者にレクチャーしてきます。

シガトカ病に感染しているかどうかは写真のように外見で判断することができ、私達は「黄色いスポット」と呼んでいました。
デリーフィングではこの黄色いスポットを目印に切り落としていきます。
コツを掴むとこれがけっこう面白い。

バナナの木から生えてくる葉の位置は高さがすべて異なっており、下の葉から順にらせん状に位置が高くなっていきます。
また、シガトカ病も下の葉から順に規則正しく感染していきますので、感染が一番進行している一番下の葉は元気がなく垂れ下がっていることが多いです。
なので、デリーフィングをするときはその垂れ下がった葉を目印としてガンガン下から順に「黄色いスポット」を見つけて切り落としていけばいいのです。

デリーフィング専用の鎌も切れ味が抜群なので、コツを掴むとほとんどの人がデリーフィングのスピード感に酔いしれて、ハマっていきます。
私が経験したいくつかのバナナ農家ではどこに行ってもワーホリ労働者同士でデリーフィング世界対抗戦が行われていました。

ただ、この世界対抗戦はシガトカ病からバナナを守るというワーホリ労働者の「使命」を忘れ、
国同士のプライドが先行してしまい、結局作業後切り残した黄色いスポットをボスに見つけられ怒られるというのがほとんどです。(笑)

といっても葉を切り過ぎても怒られるんですけどね。
ほんと、手間のかかるフルーツです。


シガトカ病を恐れる農家

2014年10月10日金曜日

バナナは硬い!?

今日もハンピングの一日が始まりました。
週末のおかげで身体が休まり、多少仕事にも慣れてきたので
バナナ生活1週目よりはバナナの重みに耐えることができました。
しかし、バナナを運ぶ上で厄介なことは重さだけではありませんでした。

「硬さ」です。

私はイニスフェイルに来てバナナの仕事を始めるまで、バナナは黄色い状態で収穫されそのまま店頭に並ぶものだと思っていました。
しかし、実際には収穫するときのバナナは青く、硬いのです。

収穫時だけではありません。
たとえば日本に海外からバナナが到着しても、どんなに遠いところから来てようがバナナは必ず青いままで陸揚げされます。
もしそこで黄色いバナナでも揚げようとするもんなら税関でひっかかちゃうのです。
※黄色く熟成した状態だと傷みやすく、害虫がつきやすいため

そういった理由もあり、農家の人の話によると輸出する際、青バナナを保つように冷蔵船に積み温度を13℃に保つことでバナナの成熟を止めるのだとか。
手間のかかるフルーツですね。

そのようなことを最初から知っていたら当時疑問を抱かなかったかもしれませんが、
重いうえに形がごろごろしていて硬いバナナを肩を痛めながら運んでいた私は「もう少し柔らかくなってから採らしてくれ」と農家の人に頼んでいました(笑)。

今ではバナナを食べるたびにこのことを思い出します。
肩を痛めながら運んでいる世界中のハンパーさん、ありがとう!!

2014年10月8日水曜日

戦闘民族アボリジニ

バナナ生活を始めて初めての土日。

バナナを運ぶ生活が始まってから初めての休日は最初から飲みに行くことに決めていました。
あと、バナナから少しでも離れたいと。

オーストラリアの農家は基本的に土日は働きません。その代わり土日に働くと給料が約1.5倍になります。(通常時給が20ドル、土日30ドルといった感じ)

そのため私のようなワーホリの労働者は土日に働く方も少なくありません。

さて、土曜日を向かえて早速昼間っからビールを飲みにバーへむかいました。バーには私と同じようなワーホリで集まってきたバナナ労働者がたくさんおり、とても居心地がよかったのを覚えています。

労働の苦労をともにした仲間との酒はうまく、また同じワーホリの労働者とも意気投合してビールを飲んでいたところで別の団体が喧嘩を初めていることに気がついたのです。

そこで喧嘩をしていたのは
ヨーロッパ軍団 VS 地元アボリジニ軍団

そこにはひ弱な日本人が仲裁できる気配などなく、喧嘩というより殺し合いが始まりそうな雰囲気がありました。

影に隠れつつ、喧嘩を見ているとグラスは割れるわ、テーブルはひっくり返るわと本気の殴り合いで格闘技を観戦するよりもアツくなったのを覚えています。

そんな喧嘩の結果はアボリジニの圧勝。

バーの店長に聞いたところによるとよく海外労働者とアボリジニの喧嘩は起こるそうですが、地元アボリジニが負けたのを見たことがないそうです。

というのもアボリジニたちは生まれた時からバナナ労働で鍛えられており、肉体がアスリート並みに引き締まっているのです。

そんな彼らにはヨーロッパのいかつい男たちでさえかなわないんだとか。。。

僕にはヨーロッパの労働者も強そうに見えたので、一方的に殴られる姿は悲惨でしたね。。。

アボリジニは気性があらいため一度喧嘩が始まるとボッコボコししてしまうそうで、その時も救急車が来てました。

ある意味早い段階でアボリジニの強さを知ったこといい経験になりました。
絶対に歯向かわないでおこうと決心した週末になりました。
アボリジニに歯向かうくらいならどんなに重いバナナにも耐えられるだろうと。


カートリー・ビール