これまで紹介してきたハンピングとカッティングと並んでバナナ仕事のメインと言える作業です。
その作業はデリーフィング(de-leafing)と呼ばれるバナナの葉を切る仕事で、
私が働いていた農家でも週に1回このデリーフィング作業をしていました。
デリーフィングにはバナナを感染病から守る効果があります。
人間と同じくバナナも健康管理をしてあげないと病気になります。
そのバナナの病気はシガトカ病と呼ばれ、人間で言うインフルエンザのようなものです。
シガトカ病にかかったバナナの木からはバナナの収穫ができなくなり、感染力も強いため周りのバナナの木も巻き込んでしまいます。
なので葉っぱの健康管理にはバナナ農家の人はかなり気を使っており、
私たちワーホリ労働者はシガトカ病の進行を防ぐため、デリーフィングするという「使命」があるのです。
シガトカ病になったバナナの葉 ここまで来ると、末期で他の葉っぱにも感染してしまっています。 |
デリーフィングの作業を始める前、バナナ農家の人は大抵この病気の話とどういった葉を切り落とす必要があるのかを口酸っぱく私たちワーホリ労働者にレクチャーしてきます。
シガトカ病に感染しているかどうかは写真のように外見で判断することができ、私達は「黄色いスポット」と呼んでいました。
デリーフィングではこの黄色いスポットを目印に切り落としていきます。
コツを掴むとこれがけっこう面白い。
バナナの木から生えてくる葉の位置は高さがすべて異なっており、下の葉から順にらせん状に位置が高くなっていきます。
また、シガトカ病も下の葉から順に規則正しく感染していきますので、感染が一番進行している一番下の葉は元気がなく垂れ下がっていることが多いです。
なので、デリーフィングをするときはその垂れ下がった葉を目印としてガンガン下から順に「黄色いスポット」を見つけて切り落としていけばいいのです。
デリーフィング専用の鎌も切れ味が抜群なので、コツを掴むとほとんどの人がデリーフィングのスピード感に酔いしれて、ハマっていきます。
私が経験したいくつかのバナナ農家ではどこに行ってもワーホリ労働者同士でデリーフィング世界対抗戦が行われていました。
ただ、この世界対抗戦はシガトカ病からバナナを守るというワーホリ労働者の「使命」を忘れ、
国同士のプライドが先行してしまい、結局作業後切り残した黄色いスポットをボスに見つけられ怒られるというのがほとんどです。(笑)
といっても葉を切り過ぎても怒られるんですけどね。
ほんと、手間のかかるフルーツです。
シガトカ病を恐れる農家
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